RailsConf 2010 三日目

少々疲れ気味の三日目。でも、今日もいろいろ目白押しなので、一日がんばりましょう。

朝、8時過ぎには会場に到着してマフィンとミニデニッシュ、ジュースにコーヒーの朝ご飯を食べました。テーブルに付けば、共通の話題があるので、参加者同士話しがもりあがります。お隣に座った方は日系アメリカ人でボーイングで働いているとか。仕事柄、何をしているかは言ってはいけないんだそうな。911以降に始まったプロジェクトでセキュリティ一番らしいので、そうでしょう。でも、そんなところにもRailsが使われているんですねぇ。


そして、今日も9:00amからキーノート。ThoughtWorkerのNeal Ford氏による、Creativity & Constraintでした。ご自宅のハロウィーンデコレーションやコスチューム、ロックアーチストがレコーディングについて語っているビデオなど、いろいろと印象的な例を使って、creativityとはなにか、constraintがいかにcreativityをよくする効果があるかについて語ってくれました。時間など、無限にリソースがあればいいものができるというものではないようです。Haikuのように限られたと文字数でうまく表現する方法など、そのこころはプログラミングに適用できる、と。また、Software developmentはcraftではなくてartにならなければいけないとの主張もされていました。このキーノートはビデオが公開されると思われるので、ご覧になってください。


これに続く、Engine YardのEvan Phoenix氏のキーノート?はエンタメでしたね。Phoenix氏、そっち方面の才能がありますよ、絶対。Chad Fawler氏をはじめ、5人くらいのRails関係者によるバンドのメンバーが演奏、効果音を出してくれていました。何をやったかというと、二人組になって一人がヒントを出してもう一人がその単語を当てるというもの。全部で三組が登場しましたが、彼らはEngine YardのNick Sieger氏など、この業界では著名な方々です。写真は例によってよく撮れなかったので雰囲気だけ。 手前に写っているのはFord氏の頭ですよ。結果はSiegerチームがもっともよい正解率でした。笑いのあふれるこの余興はとにかくウケていました。


そしてセッションの始まりです。本日最初のセッションは昨夜Ruby Heroを受賞されたAaron Peterson氏によるTasty Burgerに行きました。このタイトル、2年前にDHHが使った言葉らしい。今回の講演にあたり、Chad Fowler氏から連絡があったときは、どこのChad Fowlerなのかわからなかったことを面白い写真を見せてくれながら語ってくれました。講演の内容はというと、時間がなかったためか足早にsqlite3-ruby、ERb、Psychなど、Peterson氏がかかわっているgemやツールなどについてひととおり紹介してくれただけのようなもの。話しのレベルも入門編という感じでしたね。ただ、私はPeterson氏がここまでいろいろやっているとは知らなかったので、いい勉強になりました。これじゃぁ、忙しいわけですよ。本業の方もかなり忙しいらしいし。
ところで、Rubiniusの質問が出たときに、"I don't know, but I know who knows this." といって、Evan Phoenix氏とSkypeで話し始めたときには会場は大笑いです。その画面はもちろんスクリーンに写しだされていました。彼ら、交流が密なんですねぇ。


2つ目のセッションはNick Sieger氏のRails3 + JRuby: Awesome Framework, Awesome Platformに行きました。これも、広く浅くな感じだったでしょうかね。デモもあったのですが、時間があまり無いうえに、起動失敗も重なり、ちゃんと動くところを見られなかったデモがありました。話しは、現在Beta版が公開されたJRuby本から。秋には書籍として出版されるようです。そして、J2EEが大きくなり過ぎて手がるに使えなくなってきた現状にふれ、JRuby on Railsはこんなにいいぞ、と。途中Charles Nutter氏が登場して、JRubyのロードマップ、1.5で何をしたかと、1.6では何をする予定かを話してくれました。JDK 7でinvokedynamicが入っていると、いろいろ改善されるところが多いみたいだ。また、Visual VMのデモを行ってくれて、パフォーマンスチューニングの話しなどもありました。他にもいろいろあったので、スライドが公開されたらそちらをご覧くださいませ。


ここで、ランチの時間です。昨日と同じ展示会場のお隣りでバイキング形式のお昼ご飯。今日は日本でmixiに対抗できるようなサービスを提供しようとしている人たちに会いました。最近日本に行ってきたばかりだそうで。日本人Railsディベロッパー募集中とか。
そして、ランチの休憩時間のうちにRubyKaigiの案内をmessage boardに書き込んでまいりました。白いところがもう埋め尽くされていたので、こんなところになっちゃいましたが、見てくれている人はそれなりにいる様子。たくさんの人が来てくれるといいですね。ところで、URLが間違っていたかも。。。明日直してきます。


午後最初のセッションは、Scaling Rails on App Engine with JRuby and Dubyに行きました。ご存知、Google App Engineで動くJRuby on Railsです。とりあえず、GAEとはなんぞやの話しからはじまり、Google App Engine Gemへと。Railsアプリを作ってデプロイしてappspotで見れるようにするまでのデモを見せてくれましたが、このgemがあると、ほんとうに簡単にできるものですねぇ。他にはDataMapperを組み合わせて使う話しとDubyを使うとどうなるかの話しもありました。DataMapperみたいなアダプターを使うと、バックエンドがBigTableだということはあまり関係なさげな感じ。Dubyはもっと聞きたかったかも。DubyというのはCharles Nutter氏が作った、静的な型があるRubyです。とあるクラスのメソッドで型を指定してあると、継承したサブクラスでオーバライドしたときに、引数にディフォルトの型が定義されるみたいだ。サブクラスが型を定義しなかったら、親など先祖さまの定義を見るらしい。知らなかった。


その次は、予備知識ゼロではあったのですが、とにかく使っている人が多くて評価が高いcucumberのセッションへ行ってきました。Joseph Wilk氏によるRocket Fueled Cucumbers。車いすの方だったのですね。Cucumberを使ったscalingテストの話しが半分くらいだったかな。Cukesくんがあちらこちらに登場していてかわいらしいスライドに仕上がっていましたよ。それにしても私はCukesくんを見直しました。いろいろできるのね。


本日最後のセッションはライトニングトークスでした。いや、これ、、、こんなに話しの内容にばらつきがあるって、、、diverse communityだなぁ、と。日本でやったらきっとみんなその場にふさわしいプログラミングのあれこれを話すと思うのですが、こっちは政治の話しとか、ルワンダ(アフリカ)を救えとか、もちろん、プログラミングの話しも。。。いろいろあるなかで、私が面白いと思ったのはPolyTeXnicですね。Ruby on Railsチュートリアルを書くのに使われているそうで、いわゆるLaTexの応用。


本日夜のキーノートはパスしてしまいました。ずーっとはね、やっぱり疲れるし。(^^;;

夜は別会場で行われていたGoogleのHackafestに行ってみました。どちらかというとラインとニングトークスみたいな感じ。でも、ほとんどはお互いが話しをしているだけな感じ。こういう風に話しをするのって、みんな好きみたいだ。英語じゃなけりゃ、もうちょっといろいろ情報交換とかできたかもなぁ、、、、。聞くのはまあけっこうできるようになったけれど、思うように英語で表現できなくて。(^^;;


ところで、ところで、会場で立派なカメラで写真をとっている人に見覚えがある、、、絶対そうだと思って、思い切って声をかけてみたらやっぱり。。。James Duncan Davidson氏(http://blog.duncandavidson.com/)。Davidson氏は2000年かそれ以前くらいに、Sunの社員でTomcatの開発を行っていた人です。Sun退社後もしばらくプログラミングを行っていたはずですが、、、今はもうプログラムは個人的な用途でしか書かないとのこと。自分はPhotographerであると言っていました。そうかぁ、そういう人生もあるよね。


それでは、また。
明日は移動日(帰る)ので、最終日のレポートはあさってになるかも。


[追記]
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