RailsConf 2010 四日目

いよいよ最終日。二日目くらいまでは長いなー、と思っていたのですが、今日で終わりかとおもうと寂しいものです。いろいろ節約するために、本日の夕方の飛行機で帰る予定になっていたので、朝は荷物をまとめてチェックアウト。ホテルで荷物を預かってもらって、会場へ向かっていると、、、そこにいるのはRailsConfのChair、Chad Fowler氏と、Co-ChairのBen Scofield氏ではありませんか。思い切って声をかけ、Fowler氏と話しながら、会場へと向かいました。何を話したかというと、、、やっぱりここでも登場するのはMatzです。彼の英語はすごくうまくなった、と。Fowler氏、RubyKaigiで話しをするそうですが、日本にはすごい人たちがたくさんいるから、緊張すると言っていました。Fowler氏が?!とは思うのですが。ところで、Fowler氏はおばあちゃんが日本人だそうな。日系?というのかな。ま、とにかく日本とは関係があるんですねぇ。にしても、もうちょっと気のきいた会話を英語でできればいいのになぁ>自分、はぁ。。。きっと、Fowler氏は退屈だったよ。


会場に到着したら今日もまずは朝ご飯。デニッシュパンの小さいのをいくつかとコーヒーをいただきました。今日は、みんな疲れているのか、たまたま無口な人たちだったのか、あまり会話はなかったかも。


最終日のキーノートはRobert Martin氏によるTwenty-Five Zerosです。私はRailsConfは初めてだけれど、このMartin氏って絶対、RailsConfの名物だよねぇ。すぐにわかる。そしてすごくわかりやすいプレゼンテーション。おもしろいです。ほんと。RailsConfに来てよかったって思う。で、どんな感じだったかというと、、、、舞台のそでではげしくドラムをたたいていたおじさんが、元気よくステージの上に上がってきたかと思うと、迫力のある声で、会場全部をまきこんで話しがどんどん展開していくといったふう。ステージを右、左と歩き回り、インデックスカードの束を手にしてときどき眺めながら、コンピュータソフトウェアの世界の人ならその面白さがわかるユーモアをちりばめて、、、お手本のようなプレゼンテーションです。ぜひ、ビデオをご覧ください。必見。

、、、で、終わってしまったら、なんのプレゼンだったのかわからないので、付け足しましょう。どんなことを話してくれたかというと、ハードウェアはプレゼンのタイトルどおり、25のゼロが付くくらい、発達してきたにもかかわらず、プログラミング言語の発達はあまりない、と。Conditionとか、Sequenceとかその手のごく基本的な機能という点で、です。ちなみに、Martin氏にとって最初のコンピュータはPDP-8だそうだ。プログラミング言語はちょっとずつ変わってきてはいるものの、言語の基礎は1960年代くらいにできあがっていて、何かをベースにしたちょっとちがう言語がいくつもできている、と。うん、確かにそうかも。最近の言語でどこかに分類できないものは無いような。
さらに、インターネットの歴史にエディタの歴史(?)。エディタは何を使っているというMartin氏の問いかけに会場からはvim!という声多数。Martin氏はおおげざに驚いてみせて、"そりゃぁ vi だろう、今どき" と。んー、ということはエディタも19??年代から基本的に変わっていないのかな。つまり、人の手と思考が直接かかわる世界はそんなに変われないのかも。。。

ということで、ハードウェアやインフラがどんなに発達しても、プログラマが読むべき本は昔からある

(三つ目の本はCoding Horrorでも取り上げられていましたよ http://www.codinghorror.com/blog/2007/09/practicing-the-fundamentals-the-new-turing-omnibus.html)
だそうです。そして、四冊目は?という会場からの声に応えて、、、

(笑) Martin氏の本ですね。



続くセッションはClinton R. Nixon氏の"Migrating Plugins and Gems to Rails3"に行ってみました。これも、予備知識ほぼゼロではありましたが、Nokogiriの実装に関わって以来、gemという言葉が気になるので。
きっと、Railsな人には既に常識なんだとは思うのですが、Rails3っていうのは、ほんとうにBig releaseなんですねぇ。いろいろなシンタックスが変わっただけじゃなくて、constantsとか、あれやこれやも変わったみたいだ。具体例として、rails-footnotes(http://github.com/crnixon/rails-footnotes)をあげていました。このセッションのスライドが公開されたら、各項目をチェックしてみてください。でも、この方のスライドって、、、Emacsじゃないですかー! (^^;; ひゃー、よく作ったなぁ。ちゃんと絵も入っているし‥。意外と見やすいのは元Emacs使いだからだろうか‥。


その次は、Sarah Allen氏の"Adventure in Full Text Search"に行ってきました。Allen氏の話しは初日に夕飯をご一緒させていただいたときに、色々聞いていたのでわかりやすかったかも。Allen氏は英語ばかりではなく、日本語やアラビア語もテキストサーチの対象にしているということで、その難しさについて具体例をあげて説明してくれました。例えば、日本語の「馬」と「鹿」はそれぞれ、"horse"と"deer"なのに2つが一緒になっていると"idiot"になってしまうとか。Allen氏のテキストサーチは、"stemming"という言葉を使っていましたが、同一と判断できる言葉のセット(run, ran, runningなど)を作ってサーチするというアプローチのようです。そして、ここでもMatz登場。多分ビデオなのですが、プレゼンでは静止画になっていて、日本語のサブタイトルが入っていました。そのMatzによる日本語のサンプルは、、、「クロージャによってオブジェクトを実装できますが、オブジェクトによってクロージャも実装できます」って、、、これが、日本語のサンプルですか?! (^^;;

このAllen氏、前日のGoogle Hackfestに行って、JRuby on Rails + DataMapperでさくっと、テキストサーチのアプリを作ってしまったみたいだ。Hackfest会場にはJohn Woodell氏(GAE)、Charles Nutter氏(JRuby)、David Masover氏(DataMapper)がいましたから、聞きながら手を動かして作るって、確かに可能、、、ではあるけれど、さすがです。Allen氏は簡単に作れてしまうことに"I'm impressed."と言っていましたが、私は、その場で聞いただけでさくっと作り上げてしまうAllen氏に"I'm impressed."でした。Hackfestのようなイベントは話しを聞きにいくのではなくて、手を動かして何かをできるようにしてくる場なんですねぇ。


と、会場で、Charles Nutter氏、Tom Enebo氏に会ったので、このお二人に、なんと、RedBrigeのユーザという方がいて、一緒にお昼ご飯を食べに行きました。なんということもないよもやま話しをしてお昼を過ごしました。(もうちょっと英語がしゃべれりゃなぁ、、と思いつつ)


セッションはまだ続いているのですが、私のRailsConfはここで終わりです。夜の航空券は高いので、夕方の便でしたから。空港までの移動時間やセキュリティを通るための時間、などを考えるとやむを得ない。が、カンファレンス会場の隣にあるバルチモア オリオールズの球場にだけは足を運んできました。残念ながら現在DL入りしていますが、上原選手のチームです。とりあえず上原T-shirtをゲット。


BWIへ向かうべく、Light Railsの駅にたどりつくと、、、JRuby T-shirtの長身、長髪の男性がいるじゃぁないですか。こんなところでJRubyな人に会えるなんて、、、引力が働くのかと思いましたよ。この方はMarcoさん。元Sun, 今Oracleの人で、Kenai.comを作っている人でした。もちろん、JRuby on Rails on GlassfishMarcoさんによると、JRubyがRails3のプラットフォームとしては最速(Nutter氏)は実はそうでもないらしい。おぉ、現場の声。。。話しをしているうちに、SunにいたHudsonの川口さんは、いまはInfraDNA(http://infradna.com/)というHudsonのコンサルの会社を作ってそっちにいったらしいことを知りました。そうかぁ。


こんな感じで、私のRailsConf 2010は終わっていきました。いろいろな人に出会えていろいろな話しができて、楽しかったですよー。RailsConfを企画してくれたみなさま、ほんとうにありがとうございます!!!

[追記]
RailsConf 2010のスライドやビデオはこちら