自分ならこう訳すかも…

404 Blog Not Found:どう訳す.orgが欲しくなった - 書評 - 訳せそうで訳せない日本語のエントリに和文英訳の話しがありました。紹介されている書籍を読んだわけではありませんし、わたし自身、それほど英語ができるわけではないのですが、普段、見聞きする英語とちがうなーと思ったので。
自分が英語を書くときに一番難しいと思うのはぴったりの状況を現す良い主語を見つけ出すこと、です。日本語は主語を省略することが多いのですが、英語は主語がないと成り立たないし、there is/areやI/we/youばかりではdullな感じになってしまいます。加えてアカデミックライティングでは絶対にyouを主語にするな、と、教えられてきました。言いたいことは何なのかをよく考えて主語を見つけ出す作業をしないといけません。
ということで、最初の例文ですが、、、

友情とビジネスとは一線を画さなければならない。
You should draw a clear line between friendship and business.

Dan Kogai氏はclearがunclearと言っておられるのですが、私にとってはdraw a lineという表現がconfusingです。おそらく、「むしろ日本語のあいまいさまで少し残るような著者の通訳ぶりは、依頼人により安心感を与えるものかもしれない。」という点ですばらしい英訳なのだと思うのですが、少なくても私が勉強してきたAmerican Englishでは、こういう言いかたはしなさそうだなぁと思いました。ここはYouが主語、つまりspoken Englishなら

You need to know the difference between friendship and business.

で、よくないか、、、?書きことばで、ちょうどよさそうな主語を付けるとしたら、

Business never goes along with friendship.

とか、ちょっとかっこよく

A chasm lies between friendship and business.

かなぁ。
二つめの例文、

端的に言えば、日本の給与水準が高すぎるのです。
Frankly speaking, the level of salaries in Japan is too high.

この"frankly speaking"って、これを見てそんな言い回しを日本の英語でならったなぁぁと思い出しました。でも、米人が"frankly speaking"なんて言っているのは聞いたことがありません。そもそも、米人は最初に端的に結論を言うのがあたりまえなので、わざわざ「端的に言えば」と前置きするような概念は存在しないのかもしれません。Dan Kogai氏が言っておられるように確かに主語も長いかも(spoken Englishだすると)。私の感覚では

Evidently, Japanese salaries are costly.

かなぁ。余談ですが、ここデトロイト界隈では日系企業の給料は安いので、米系自動車メーカから日系自動車メーカに転職した場合、生活レベルを落とさないといけないのが一般的のようです。
最後の例文、

日本語を英語にするというのは実に奥が深い
You can put Japanese into English in so many ways.

これはDan Kogai氏自ら例題を訳された英文です。これを私が訳すとしたら、、、

You will ponder over translating Japanese into English.(話しことば)
Translating Japanese into English requires us to ponder over.(書きことば)

でしょうか。
同じ英語でもいろいろな国の英語があるので、直接的に、clearに表現するAmerican Englishの場合はこうなるかも、、、と思ったところを書いてみました。