Jini, JavaSpacesは今?

TheServerSide.COMに"Using JavaSpaces(http://www.theserverside.com/tt/articles/article.tss?l=UsingJavaSpaces)"という記事が出ているのを見たので、今、JiniやJavaSpacesはどうなっているのか調べてみました。
日本ではほとんどJiniやJavaSpacsの話題はなくなって、普及しているとは言いがたい状況ではないかと思いますが、欧米では着実に利用が広まっているようです。オープンソースの実装ばかりではなく、商用の製品もGigaSpaces(http://www.gigaspaces.com/)からリリースされています。JavaSpacesはGridの分野では評価を得ているらしく、メリルリンチなどで採用された事例が報告されていました(http://www.gigaspaces.com/cu_case.html)。
メリルリンチの事例はWhite Paperが公開されています。これによると、ハードウェアはHP Blade、OSがSuSERedHatという環境でJavaSpacesを使ってサービスを登録・利用できるようにしています。クライアントとの通信はWebサービス的に行っているようです(詳細はありません)。JavaSpacesは2つ使っていて、ひとつは株式市場の変化がイベントとして発生するようになっているので個々のイベントを扱うインスタンスがあり、もうひとつは株価変動の見通しを更新するのに使われている、とあります。

オープンソースの実装として有名なのはBlitz(http://www.dancres.org/blitz/)です。いまでこそ、参照実装がApacheライセンスでリリースされていますが、Blitzはそうなる前、ライセンスの問題がいろいろとあった時代からオープンソースで公開されていたJini,JavaSpacesの実行環境です。参照実装であるJini Technology Starter Kit 2.1は2005年10月からApacheライセンスでリリースされています(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20051020/223119/)。今後、参照実装はApache Riverプロジェクト(http://incubator.apache.org/river/)で開発されることが決まっていますが、Blitzの開発を行ってきた Dan Creswell氏がApache Riverの主要メンバーとなっています。Riverプロジェクトはまだ始まったばかり。これから動き出すところです。

2007年にはGigaSpacesがAsia-Pacific地域に進出すると表明している(http://www.gigaspaces.com/News/news2007_01_03.htm)ので、もしかすると今年は日本でJini, JavaSpacesが復活するかも?です。

Jini、JavaSpaces関連の情報一覧です。